2010年9月15日水曜日

La Becasse

大阪、中央区高麗橋に「ラ・ベカス」という最高に美味しいレストランがある。僕はだいぶ以前から渋谷圭紀シェフの料理のファンだ。東京にいるときも渋谷シェフの料理が恋しくなり、何度となく大阪まで足を運んだ。数年前渋谷シェフは店舗を移転し新しいレストランを現在の場所でスタートさせた。ある料理専門誌で新しいラ・ベカスの記事を読んだ。それは調理場の設計に関する記事で写真も掲載されていた。写真を見た瞬間「すごい調理場だなー」と思った。そこにはデザインがあった。レストランはお客様から見える客席だけでなく厨房もデザインする時代になったことを感じさせてくれた。料理が古典を踏襲しながら緩やかに発展してきた時代から本格的にクリエイトの時代に入った、それを実感できた。渋谷シェフはクリエイションの場を求めていたに違いない。だから僕は迷わず今の店の厨房設計をラ・ベカスと同じデザイナーに依頼した。その厨房デザイナーはメルセデス・ベンツのAMGに例え、そのままでも十分に機能する厨房機器をすべてチューンナップして納品すると言った。そしてこんな調理場が出来上がったのだ。