2010年10月4日月曜日

Tours

1988年、僕はフランス、シャンパーニュ地方の街、ランスにいた。その後パリなどをへて1992年はロワール地方のトゥールに来ていた。当時ミシュランで2星を獲得していたレストラン「ジャン・バルデ」で働くためだ。ロワール地方には古城が沢山ある。ここの古城は僕の名前の由来だ。子供のころから良く耳にした「シャンボール」「シュノンソー」「シノン」「アゼ・ル・リドー」「アンボワーズ」眠れる森の美女で有名な「ユッセ」、なんだかとても懐かしい・・・。それにワインの産地だ。休みの日には「ヴーヴレ」や「モンルイ」の畑まで歩いて行くことができた。住まいはロワール川の眼の前。扉を開ければ道をへだてて川のほとりまで1分もかからない。サーモンが溯上する大きな川なので島もある。オーカール島だ。その北側がQuai Paul Bert通り。ここが住まいだった。おまけにこのQuai Paul Bert通りはトゥール・ド・フランスという自転車レースのコースにもなっている。ベランダはフランス人の同僚も羨む特等席だった。

およそ1年暮らしたこの街や家にも沢山の思い出がある。楽しかったことも、そうでもないことも・・・。

2008年2月28日に「ジャン・バルデ」は既に閉店してしまった。しかしロワール地方に今も点在する美しい古城たちは僕のルーツの一つに違いない。フランスの歴史なしに「知城」の名は生まれなったのだから。