2011年7月27日水曜日

Le Marche 2011.7.27

台風一過、瀬戸内海も平穏を取り戻し、市場に魚達が帰ってきた。

最近好調な「アコウ」は鱗がとても小さく細かい。そして滑りが強い魚だ。ゼラチン質が豊富な魚はこのように滑りけが多い場合がある。だから普通の鱗引きでは綺麗に鱗が取れない。たわしや包丁などを使い丁寧に鱗を取り除く。

そしてもう一つの方法。今日入荷したのは朝活締めにした1尾1キロ位の「アコウ」。この大きさ場合、内径直径が28センチのインダクション・ヒター対応のキャセロールに約10センチの高さまで水を入れる。そうすると水の量は約6リットルになる。インダクション・ヒターのサーモ機能を使い鍋の水の温度を72度に設定し、安定させる。サーモの温度設定を70度に下げて、活締めにした「アコウ」を1尾丸ごとキャセロールの中に入れる。水の温度は約4度低下して68度位になる。魚自体の温度なども影響するのであくまで目安ではあるけれど。そして30秒タイマーではかり「アコウ」を引き上げて更に氷水に落とす。冷水から取り出し、たわしと包丁を使い鱗を取り除き、良く水気を拭き取った後、濡らした晒しなどをかけて魚が乾かないように保管し、必要な時におろして調理する。

この方法なら滑りけと小さな鱗は手早く綺麗に取れる上に、身に火が入るような事も無い。色々な魚やケースで応用可能なテクニックだと思う。

最も少々荒っぽい方法で、魚に100度の熱湯をかけたり、湯にくぐらせたりしてから手早く下処理、そして調理する、というやり方は昔から行われていたことではあるけれど。料理人たちは皆、目的に合わせてプロセスを選んでいるんだな。