2012年1月30日月曜日

Bibliographie 17 [La Cuisine Francaise Methode theorique pratique 1]

「改訂 フランス料理 理論と実際 La Cuisine Francaise Methode theorique pratique」 辻静雄著

昭和39年5月15日初版発行、昭和40年6月20日2版発行、そして昭和42年に改訂し昭和52年には改訂12版発行とあるからずいぶん沢山刷られた本だ。故辻静雄先生の学校で教科書として使用していた書籍だからだろう。

どんな分野の事柄でも同じなのかも知れないが、理論と実際にはやや乖離がある。乖離というのは正しくないかも知れない。現場で実際に行われている仕事が理想から離れて妥協の上に行われているとは限らないからだ。むしろ近年評価されているレストランにおいては妥協なく仕事を追及していると思える。

まず理論を論じて、では実際の現場ではどのようにその理論を応用しているのか、そういった研究では故辻静雄先生の右に出る者はいまだにいない。

僕の結論としては、「理論と実際」の「実際」の方は調理場の数だけあるということ。動線、設備やその配置、道具、更にはメニュー構成や客単価といったレストランのコンセプトにより様々だからだ。

僕はこの本を古書として購入した。とても美本でカバーに年数からくる若干のやけが見られるがその他はとても綺麗だ。この本の元の所有者はどうやらフランス料理に興味が無かったとみえる・・・。