2012年2月1日水曜日

Bibliographie 19 [La Cuisine Française 1]

「フランス古典料理」とはいつからいつまでの料理のことを指すのだろうか。解釈による違いは当然あると思うけれど、まず時代認識を明確にしよう。

中世とは西洋史における時代区分で、5世紀から15世紀くらいを指す。西暦でいえば401年から1500年まで。「Le Viandier de Guillaume TIREL dit Taillevent ル・ヴィアンディエ」を記した料理人、ギョーム・ティレルことタイユヴァン(1310-1395)が中世後期に属することになる。

次はいわゆる「Renaissance ルネサンス」で、14世紀から16世紀、西暦1301年から1600年まで。「Catherine de Médicis カトリーヌ・ド・メディシス(1519-1589)」がフランス王アンリ2世と結婚するためイタリアからやってきた。そしてやっとフランスでもナイフやホークといったカトラリーが使われるようになった。そんな時代。

そして17世紀、西暦1601年から1700年。「Le Cuisinier Francois par La Varenne フランスの料理人 ラ・ヴァレンヌ」(1651)この本が最初の「フランス料理の書」といえるものだ。ここにきてようやくフランス料理の体ができつつある。

18世紀、西暦1701年から1800年。ヴェルサイユで贅沢な宮廷料理が出現し始めた。書籍では「Le Cuisinier Moderne par Vincent La Chapelle 近代料理人 ヴァンサン・ラ・シャペル」(1733)この書は後にカレーム、ニニョン、エスコフィエなども評価している。そして1765年、「Champ d'Oiseay シャン・ドワゾー」という人物がパリで開いた飲食店がレストランの始まりとされている。

いよいよ19世紀、西暦1801年から1900年。ここからは歴史に名を残す多くの料理人が登場する時代だ。「Guide Michelin」が1900年に発行された。

この辺り、即ち、19世紀後期が現代のレストランからから見る「現代フランス料理」に対する「古典フランス料理」の始まりとしてよいのではないか。そして「Henri Gault et Christian Millau アンリ・ゴー クリスチャン・ミヨ」によって「Nouvelle Cuisine ヌーベル・キュイジーヌ」が提唱されたのが1970年代。

20世紀、西暦1901年から2000年まで。

今日、21世紀、2012年。レストランでの仕事から見た「フランス古典料理」とは19世紀後期から20世紀初期あるいは、中期くらいのまでの主に「Haute Cuisine」を指す、といえる。