2012年2月3日金曜日

HiTBiT

僕は学生時代から文章を書くのが好きだった、でも文字を書くのが苦手だった、という矛盾に陥っていた。理由は簡単で自分で納得できる文字が書けなかったからだ。ようするに字が下手だった。

そんな時に日本語のワード・プロセッサーなるものが世に出回り始めていた。それ以前にも活字を組み込んだドラム式の大きな筒が回転して印字するタイプのタイプライター式はあったけれど持ち運びには向いていないし使いかっても悪い代物だった。

価格もこなれてきて、大きさも今のノート・パソコンの形に近いワード・プロセッサーを僕は使い始めた。その時はとても重宝した。

そして20歳くらいの時に初めてコンピューターに出会った。それがソニーが発売していた「HiTBiT」だ。MSXという共通規格で動くコンピューターで既成ソフトでゲームができたりBASICでプログラミングができた。僕はプログラミング言語の本を買ってきて夢中になって読んだ。

そのコンピューターはキーボードにソフト・ウェアのスロットとメモリーをエクステンドするスロットがあり外部メモリーやモニター、電源用のインターフェースなども全てそのキーボードに装備していた。そして外部メモリーは当時の音楽テープなどを利用したもので今からは想像もできない遅さと忍耐を要した。モニターはテレビだ。

お陰で手書きしなくてもいつでも資料などが作れる環境を得た訳だけれど、文字の方は一向に上手くならないままだ。