2012年2月27日月曜日

Spherical Polar Coordinates

調理方法がどんどん複合的で複雑になってきている。古来より続いてきた「あぶり焼き」のようなプリミティブな美味しさを総合的に表現しようとする場合でも、その目的を達成するために中心温度、表面温度、温度勾配、そして表面のメイラード反応の度合と均一、不均一さ塩、など「偶然」の結果ではなく全てあらかじめイメージされたものに到達するために色々なテクニックを重層していくからだ。

とても複雑なテクニックに支えられた正確な「あぶり焼き」をプリミティブに表現する、ということだ。

下処理から切り方、マリネ、発酵、加熱などの加工点である様々な「Culinaire 調理」が色々なベクトルを持ち動き回り集合し、最終的に「Cuisine 料理」として表現される。

そしてある「Concept コンセプト」によりいくつかの「Cuisine 料理」を連続させ「Menu コース」とし、そのセット全体とサーヴィスを組合せてコンセプトを具現化する。

コンセプトはより狭くなりつつあって、業態や国籍、素材といった「系」だけではなく、より個人の感覚の表現、といった方向に向かいつつあるのだ。