villa AiDA 1
僕は絵画鑑賞が好きだ。
幸運にしてパリに住むことが出来た当時は、仕事が休みの週末に美術館に足を運んだ。
特に印象派、後期印象派の絵画をオルセー美術館で鑑賞するのを楽しみにしていた。
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昨年(2015年)の秋に和歌山に行った。
オテル・ド・ヨシノの10周年記念イベントに参加させて頂くためだ。
3泊4日して(笑&楽しかった)イベントが終了した翌日の昼食、
田代シェフと純也と共に、小林シェフの「ヴィラ・アイーダ」で食事をする機会を頂いた。
(純也シェフありがとう!)
とても美味しかった。
味覚、それだけでは無い不思議な心地良さだった。
小林寛司シェフの料理は僕が今までに体験した事の無い感覚だった。
その時に、
「いつまででも食べ続けていられそう」
そう思ったのを今でも覚えている。
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先日、小林くんの料理を再び「鑑賞(味覚だけではなく絵画のように視覚的にも!)」する事が出来た。
小林くんの「作品」は彼の視点、感性で描かれた印象派の絵画の様だ、
そう思った。
印象派の作品は描き手が感じた題材に対する心の中の「印象」を表現した世界だ。
見た目の写実だけでは無い、精神的、感覚的な印象。
素材から感じる感覚的な印象を、自分の感性のフィルターを通し具現化しているのだ。
そこにはまるで、森や草原の光や風がそよぐよう、
そして耕作地の土の香りが、生命の息吹が感じられるようなのだ。
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彼はイタリア料理を創っている(つもり)、なのだと思う。
しかし、彼の作品はイタリア料理を基盤とした独自の、第三の道を切り開くポテンシャルを兼ね備えている。
僕が体験した最高のイタリア料理。
絵画の印象派のような気品、そしてパッション、
今日の時点で日本最高峰のモダン・イタリアン、
イタリア料理店を一件だけ挙げろ、とのご要望には、
和歌山の「ヴィラ・アイーダ」、
僕個人の保証付きでお勧めします!
小林くん、また行くからね。