2010年12月8日水曜日

Photo 1 [Asahi Pentax S2]

「Asahi Pentax S2」



Asahi Pentax S2 は僕が子供のころに使っていたカメラだ。

僕はスタジオで育った。周りは写真撮影のための三脚やストロボ、照明器具、ポジを収納するためのキャビネットなどであふれていた。親父がカメラマンだったから。それで小さいころから一眼レフのカメラで写真を撮っていた。白黒のフィルムを現像タンクのリールに巻いて自分で現像して暗室で引き伸ばし機を使い印画紙に焼き付けていた。現像液や定着液の匂い・・・。

昨今は世の中がデジタル化されて写真も銀塩フィルムを使う人は少なくなっている。一部のプロ・カメラマンとマニアくらいのものだろう。デジタル・カメラとインターネットのおかげで写真を撮る人の数が増えているから写真を目にする機会も格段に多くなった。

プロのカメラマンはもちろん別にして、ハイスペックカメラを使い、構図や背景、アングルが良くてピントがあっていると上手に見える。後はフォトショップでレベル補正、色補正そしてトリミングして・・・。でもただ整っているだけだ。

数年前に流行した「へたうま写真」とは区別して言えば、ピンが甘くても、少々ぶれてても、被写体の表情が豊かだったり、迫って来るものあったら響く。その場の臨場感が伝わる写真が心を動かす。カメラの性能なんか問題にならない。人の心をつかむのは絶対に金でもテクニックでもない。

ハートだ。