2012年5月31日木曜日

Matière Etrangère

僕を迷わす外国の素材。

フランスの季節。日本にいても忘れられない物。


2012年5月30日水曜日

Kotori's Creation

ことりのクリエーション。今日も可愛い。

2012年5月29日火曜日

Bibliographie 36 [The Professional Cooking Jun. 2012]

「The Professional Cooking Jun. 2012 月刊 専門料理 6月号 2012年」柴田書店

この月刊専門料理は我々料理人に多くの有益な情報、技術を長期にわたりサプライし続けてくれている。裏表紙に「昭和42年1月10日第三種郵便物認可」とあるののでもう45年も前の話だ。創刊と同じ年なのかな。

僕はこの本を1987年からポツポツと購入しだした。そして1988年から今日まで24年間、一冊も抜けることなく買い続けている。フランスに住んでいる時も毎月買っていた。そして今も全て所有している。1988年はこの雑誌の判が以前より大きくなり、A4より少し小さいサイズに変わった年だ。

柴田書店は多くの専門料理書を世に送り出し、料理人たちを育ててくれた出版社だ。

でも、それなら、定期購読した方がいいよね、すでに24年経っちゃたけれど・・・。

2012年5月28日月曜日

Bibliographie 35 [Gault Millau GUIDE FRANCE 1988]

「Gault Millau GUIDE FRANCE 1988」

僕がフランスへ渡った年の「GUIDE Gault Millau」だ。懐かしい。料理人たちはこの本が発売されると皆、どのレストランが評価を上げたのか、下げたのかの話で持ち切りだった。そして次に働くべきレストランを探す大切な情報源だ。評判のお店には調理場に立つことができなかったとしても、最低限、食事には出かけなくてはならない。そうでなければ何のためにフランスへ来たのか分からない。日本に帰る飛行機代も足りないのに、レストランへ出かけていった。

よくあんなことができたなー。今でもゾッとする。







2012年5月26日土曜日

2012年5月25日金曜日

Le Marche 2012.5.25

いよいよ瀬戸内海の天然「鱧」がやってきた。関東と関西では流通している量が全然違う。だからか、東京にいるときは僕もあまり使わない魚だった。骨切りなどの技術もなかったし。上手く扱えなかった、と言う方が正確かもしれない。

でも今は「鱧」を巧みに扱える技術を磨こうと積極的に取り組んでいる素材になった。

僕にとって「鱧」は緊張強いてくる最高位にある魚になっている。何とか日本料理的印象を払拭した料理にしたいんだけど・・・。難しいな。

2012年5月24日木曜日

2012年5月23日水曜日

Bibliographie 32 [Numéro Spécial de la "Revue pour les Cuisiniers "La Cuisine Française d'Aujourd'hui 2 (2)]

「Numéro Spécial de la "Revue pour les Cuisiniers "La Cuisine Française d'Aujourd'hui 2 月刊専門料理別冊 現代フランス料理 2」

僕が初めて購入した料理の専門書。僕の本棚の最古参だ。これがきっかけでその後色々な本を読んだ。故辻静雄先生の著作をはじめとして、故見田盛夫氏、佐原秋生氏、山本益博氏などの本だった。どの本もフランスのレストランでの食べ歩きなどを紹介していて想像を膨らませたのを思い出す。とても楽しい読書だった。

それと同時にフランス料理以外の料理にも興味を向かせてくれた。後に日本料理や蕎麦、天麩羅、うなぎ、中国料理からラーメンに至るまで色々な食べ歩きを始めたきっかけでもあった。

そしてこの「現代フランス料理 2」に紹介されている「タイユヴァン」の調理場が、「ヴィヴァロア」のペロー氏が、「ジラルデ」の新しさが脳裏に焼きついた。

そしてフランスへ渡り「タイユヴァン」の調理場に立つことができ、ペロー氏のご自宅にうかがえる光栄を得、クリシエの「ジラルデ」まで出かけていったのだ。

僕の道しるべはいつも本だった。今でも、そしてこれからも。

2012年5月22日火曜日

Bibliographie 31 [Numéro Spécial de la "Revue pour les Cuisiniers "La Cuisine Française d'Aujourd'hui 2 (1)]

「Numéro Spécial de la "Revue pour les Cuisiniers "La Cuisine Française d'Aujourd'hui 2 月刊専門料理別冊 現代フランス料理 2」

発行日、昭和57年7月15日。二刷、昭和58年5月15日、柴田書店より。昭和57年は1982年だから30年前の書籍だ。僕はこの「現代フランス料理 2」を書店で購入した。古書ではなくて。書店の平台にあったのが目に止まり、なんだか吸い寄せられるように手にとった。初めて「フランス料理」との接触だった。フランス料理のことなんか何もしらなかった。専門書を買う、という行為に、なんだか大人の仲間入りをしたような気分になってドキドキしたのを今でも良く覚えている。

料理そのものも勿論そうなのだが、僕はフランスのレストランの調理場にとても興味をひかれた。みたことも無い調理器具、タイルの壁やステンレスのフードに整然と吊るされた銅鍋・・・。

僕を料理人にして、フランスへと導いた最初のきっかけだったとても大切な本だ・・・。

2012年5月21日月曜日

Truffe 56

イタリアから「サマー・トリュフ」がやってきた。

夏のトリュフは冬の黒トリュフとは素材として全く違う世界にある。黒トリュフのあの香りを求めたりすると、使う人によっては全く価値の無い物になってしまう。しかし違うとらえ方をすれば素材としては興味をそそられる物だ。

いずれにしろ高価で難しい素材ではあるけれど。

まー、兎に角、今年も来てくれてありがとう。

2012年5月19日土曜日

Les ombre et les clairs

僕はまるで、ずっとこの影を眺めていたみたいだ。でも影はたった今現れてすぐに消えてしまう。

強い西日がとても暑い。

2012年5月18日金曜日

Le Marche 2012.5.18

「黒鮑」、「鱸」と高松中央卸売市場もだんだんと夏の素材が並びだしている。「真鯛」が産卵を終えて脂が落ちて痩せてきたら今度は「鱸」だ。夏の素材が楽しみだが、何といっても待ち遠しいのは天然の「鱧」。

さーて、今年はどうしようか・・・。

2012年5月17日木曜日

Le Marche 2012.5.17

瀬戸内海の「黒鮑」がやってきた。これから夏に向けてどんどん美味しくなる。3時間の蒸鮑にしてテクスチャーと香りを最大限に引き出したい。

今日のムニュにも入れてますよ。是非!

2012年5月16日水曜日

Force

僕自身そうでありたいし、子供たちにもそうあって欲しいこと。

「十本の強い槍よりも、一枚の弱い盾の味方になって欲しい」。

とても勇気のいることかも知れない。でもそいうい信念は結果として強い自分を生みだすのではないか。本当の強さとは金や権力や暴力ではなくて勇気なのだということを知って欲しい。

2012年5月15日火曜日

I cannot thank you enough for your kindness

言語は素晴らしいコミュニケーション手段だ。

勉強したり、有益な情報を拡散させたり、書籍を作ったり、音楽にのせて歌を歌ったり、子供と話をしたり、相手を労ったり、慰めたり、称えたり、愛を奏でたり・・・。

でも言葉で人を傷つけるのはいとも簡単だ。言葉で傷ついた傷はなかなか癒えない。人が傷つき落ち込むのってその人にしか解らない説明できない辛さだもんね。そんな言葉なら、いっそ物理的に殴られた方がまだましだ。僕はそうだ。でも鋭い言葉を向けられても僕はそれに怒りの剣をひるがえさなくなってきた。でも悲しい。あー、人は悲しむんだな、と感じる。

そんな教訓を与えてくれる相手にむしろありがとう、と思う。だから本当はとても素敵なはずの言葉を大切にしていきたい。

2012年5月14日月曜日

Thank you, Tokyo

東京でレストランをしていた時は東京という街に「生かされていたんだなー」、とつくづく思う。

広告費などをかけなくても情報誌などのマスメディアの方達が取材に来てくれた。テレビの取材をして頂くことだってあった。自分が何も施さなくともレストランの宣伝が自然にできていて集客につながっていた。時に厳しい批判や評論にさらされることもあるにはあったが、大方は好意的な論評を頂いた。それに落ち度を指摘されても仕方がない。改善しようと努力した。そしてその評判を聞きつけた僕よりももっと若い料理人や専門学生が就職を希望してくれた。一度も求人広告をだしたことがなかった。

そんな環境をいつしか当たり前だと思っていたのかも知れない。しかし実は、多くの方々の好意や応援の上に成り立っていた。自分の能力ではなかったのだ。改めて本当に感謝したい。ありがとうございました。

地方に来たらそんな東京の環境を客観的に眺めることができた。地方に来なければ得ることができなった教訓も得ている。少しは冷静に物事を考えることができるようになったのかな。

それともまだまだ今を当たり前だと、生きているのが当たり前だと、無意識のどこかで感じてしまっているのだろうか。

時間が経たなければ解らないのでは遅すぎるのに。

2012年5月12日土曜日

Bulbous Plant

毎年すごく不思議だなー、と思う「球根」。

大した手入れをするわけでもないのに、毎年ちゃんと葉や花をつける。花が散り、葉も枯れてしまい、その姿を地上から隠してしまう。咲いていたその場所を見ても冬にはただの土だけしか見えない。春が近づくと球根の頭が少し土の上に見えて、やがて茎、葉が伸びつぼみが巻きはじめて花が咲く。

球根はずっと生き続けている。それも2年や3年ではない。随分長い間。植物としてメカニズムは全然分からないけれどもその循環だけを感じていたら、僕にはとても不思議な生き物だ。一年中目の前にある木のような物とは何だか違う。

そして、彼女たちの小さな花を少しだけわけてもらい、小さなグラスに一輪だけ、そっとテーブルに飾り、お客様のおもてなしに一役かってもらう。

僕は紫蘭をとても愛している。

2012年5月11日金曜日

Sunset

レストランのファサードは西に向いている。午後になると西日が射して真昼に戻ったような時間帯もあるのだが、綺麗な夕日も見える。

夕日のために西日は少し我慢しよう。

2012年5月10日木曜日

Oeuf mollet

今日のアミューズは小豆島のオリーブの葉を飼料に配合し、香川県で育てた鶏の小さめの卵、香川県産のグリーン・アスパラのピュレ、パルミジャーノ・レジャーノとトリュフ・オイル、黒胡椒を合わせたほの温かい料理。

卵は温泉卵ではない。卵白はゲル化して卵黄はまだ流動性を失っていない65℃で加熱した卵。随分長いこと作っている「65℃の卵」です。

2012年5月9日水曜日

Terrine de Foie-Gras

今まで、色々なやり方で「フォア・グラ」に挑戦してきた。フランス料理を象徴する、フランス料理の料理人なら一度は必ず向かい合わなければならない登竜門、それでいてなかなか言うことを聞いてくれない素材。

作業手順もさることながら、温度管理が重要な素材だ。僕はどちらかと言うとフォア・グラの真髄はポワレなどよりもむしろパテやテリーヌのような冷製料理にあると思っている。

勿論、ポワレやショソンのような料理だって難しいし、沢山挑戦してきた。

かつては、場合によっては今でも、「フォア・グラ」を作業しやすい温度に調整した後、デネルヴェ、そしてアセゾネ、エピセを兼ねアルコールとマセレをして、割れた「フォア・グラ」を元の形に戻し、数時間~1晩、その時の考えに合わせて寝かせ、テリーヌに詰めて、繊細な温度管理をしてバン・マリでキュイする。オーブンには入れない。プラックの隅っこで。その後、プレセして適度に脂を抜きつつ引き締め、冷蔵庫に少なくとも2~3日保存し落ち着かせる。テリーヌから取り出し、カルトやムニュの状況にもよるが15mm~18mm程度の厚みに切り、提供温度を調整してアシェットへ。

こんな調子でアン・トションにしたり、ブリオッシュに入れたり、さらにキャナールのテリーヌの中心に詰めたり、オマールや野菜とモザイクを組んでアン・ジュレのような表現にしたりと・・・。そう、忘れてはならないのがフランス産の黒トリュフとの出会いだ。

無限の出会いと可能性がある。

しかし今日は少し違うやり方で。「フォア・グラ」をグリエにのせ、更にホテル・パンにのせ、そして49℃、加湿100%に設定したスチーム・コンヴェクション・オーブンでヴァプールする。「フォア・グラ」全体の温度が約48℃になったら取り出す。大きさにもよるが1時間30分~2時間くらい。脂はグリエの下に落ちるので「フォア・グラ」自体は中に浮いたような状態だ。それに完全に脂が落ちているわけではない。浅いバットに「フォア・グラ」を移し温かいうちにピンセットやクトーを使い筋を引き抜く。アセゾネもアルコールも使わない(消毒のアルコールは使う)。そしてフィルムを張った型に静かに移して型ごと氷で冷やし、冷蔵庫へ。2時間~3時間冷却する。重しなどもしない。

型から取り出し、セル、ミニョネット、複雑にメランジェした様々なエピス、ピスターシュのユイル、フィグなんかのピュレを添えて。温度が高すぎると美味しくない。直前まで冷蔵庫で良いと思う。舌の上ですぐに溶ける。

時間の節約や手抜きのための方法ではない。あくまで美味しさを追及してゆく過程のやり方だ。しかし、冷製の「フォア・グラ」がわずか5時間足らずで提供できるのは良いこともある。作業時間だけなら30分~40分だ。

でも、かつてのやり方の上に今日がある。先輩や仲間の苦労の上に成りたっていることばかり。そして才能ある人たちがすごい未来を作るんだろうな。

2012年5月8日火曜日

Impromptu Museum

香川県立ミュージアムで「フランス絵画200年 <光と風景> ミレー、コローそしてモネ、ルノワールへ」という特別展を開催している。そこで絵葉書を買ってきた。

で、レストランのバーにインスタント・ミニミニ・ハガキ・ミュージアムができました。

>>>The Kagawa Museum Web Site


2012年5月7日月曜日

Côte d'Or

僕は料理を食べて感動したことがある。

その初めての体験は1987年のことだ。三田にあるレストラン「コート・ドール」。

斉須政雄シェフの料理を食べて。激しく心揺さぶられた。「料理で人を感動させることができるんだ」、知らなかった。美味しいだけでは無かった。衝撃だった。

翌年の1988年に僕は料理の修業のためにフランスへ渡った。

そして斉須シェフが一緒に仕事をしていたベルナール・パコォ・シェフの店、パリ4区ヴォージュ広場にある3ッ星レストラン「L'Ambroisie」で食事をする機会を得た。また衝撃を受けた。何度も通った。ほとんどお金なんか持っていなかった僕にマダム・パコォはとても優しかった。料理のポーションを調節してくれて魚も肉も食べさせてくれたりした。そして帰り際には次回の予約をして帰った。

帰国してから再び「コート・ドール」へ。いったい何回通っただろう。

僕は斉須シェフの料理を「模写」した。同じようにできるはずもないが尊敬と敬意の念を込めて。それがとても勉強になった。僕は斉須シェフのもとで修業したこはないが、斉須シェフの料理が自分を育ててくれたと思っている。

僕は1993年、恵比寿に「オ・コション・ローズ」を開店させた。経営は順調だったが数年がたった時、とても大きな壁にぶち当った。自分が向かうべき方向が解らなくなって、立ちすくんでいた。

ランチの営業を一週間中止して一週間連続で「コート・ドール」へ通った。

初めて「コート・ドール」へ行って以来、「Mousse de poivrons rouge」や「Queue de boeuf braisée」は僕の人生の道しるべとなった。今でも何かに迷ったら作ってみる。

斉須政雄シェフ、本当にありがとうございます。

2012年5月5日土曜日

facebook

最近、facebookでなかなかお会いできない方たちと少しだけれど交流が持てるようになった。恐れ多い方にも勇気を出してリクエストしたりしている。本当に厚かましくてスミマセン。懐かしい人もいる。

今、僕がいるところは山の中で外は真っ暗。皆に先に帰ってもらったりするとはっきりいって怖い時がある。誰もいないはずの調理場から聞こえる製氷機の氷の転がる音にビックリしたりして・・・。

でも、facebookで皆さんの顔が見えるようになったから、一人ぼっちでもないかな。

>>>facebook

2012年5月4日金曜日

Defectiveness

完全に不完全を創りたい。

そもそも完璧などない世界。完璧は幻想的目標としての完璧をめざし、そして完全に不完全に到達できたならそれはある意味、成功と呼べるのかも知れないから・・・。

2012年5月3日木曜日

Cuisinier

僕は僕以外の料理人をとても尊敬している。

料理人を長く続けてゆけば仕事がどんどんできるようになって、楽しくなって、すごいスキルが身に着くのだと思っていた。でもそれは幻想かも知れない。続ければ続ける程仕事が難しくなってゆく。大変だ。そう簡単に思い描いた料理を作れる訳ではない。

でも尊敬すべき先輩や後輩、誰も料理人を止めない。皆、ずーっと調理場にいる。

そして、僕も、ずっと。

2012年5月2日水曜日

The Kagawa Museum

今、香川県立ミュージアムで「フランス絵画200年 <光と風景> ミレー、コローそしてモネ、ルノワールへ」という特別展を開催している。

>>>The Kagawa Museum Web Site

先日、長女を連れて出かけて来た。僕は何も分かりはしないのだが絵を見るのが好きだ。フランス、特にパリに住んでいた頃は毎週のように美術館へ出かけた。だって歩いてゆける所に「ルーヴル美術館」や「オルセー美術館」があった。今にしてみれば夢のような環境だ。しかしあの時は仕事や言葉、海外での生活での色々なハードルがあり絵画鑑賞だけに集中するわけにもいかず・・・。

懐かしい、歯がゆい思いでだ。またいつかパリで暮せるチャンスはあるだろうか?

望むか否か、それだけのことかも知れないけれど。