2011年5月31日火曜日

Le Marche 2011.5.31

僕は毎日死ぬ。そして毎日生まれ変わる。

生も死も同一だ。

新しくも古くもない。

今の連続があるだけだ。

そこに魂を注ぎ込む・・・。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月30日月曜日

Le Marche 2011.5.30

「セーブル・ブルー」がやって来た。ブルターニュ産のオマール海老は「オマール・ブルー」と呼ばれ、あの独特の青い色がセーブル王立製陶所の食器の「青」に例えられるのだ。陶磁器の世界では瑠璃色を表現するのが難しいとされている。

ブルターニュ産のオマールにはゲランド産のセルでシンプルにアセゾネする。それ以外に考えられない。だってそれは彼女の海、だからだ。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月28日土曜日

Sanuki Udon 17

香川県のうどん屋さんの中には「蕎麦」をおいているところがある。蕎麦かうどんかを選べるわけだ。東京では当たり前だが、香川では両方から選べるお店の方が圧倒的に少ない。殆んどが「うどん」専門店だ。

しかし「蕎麦」の専門店もある。東京育ちの僕は「蕎麦」が好きだ。ずいぶん食べ歩いたりしてお気に入りのお店もあった。「蕎麦」の場合はだいたい冷たい「せいろ」とか「ざる」しか食べない。たまーに魔が差したときににしか温かい「蕎麦」は食べなかった。

「蕎麦」と「うどん」を同じ店で手打ちするのは大変だと思う。同じ麺でも料理としての共通点は無いに等しい。

で、今、美味しいお蕎麦屋さんを探している最中だ。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月27日金曜日

Sanuki Udon 16

先日、暖かい日に、家の近所で「ざるうどん」を食べた。「ざるうどん」と「釜あげうどん」の違いは麺を氷水などで締めるか、茹でた釜のお湯ごと暖かいまま食べるか、なので最も離れた距離にある、ということになる。

澱粉のα化とβ化でテクスチャーをコントロールしているのだ。

うどんは茹でた後、冷水でよく締めてから食べるのが小麦本来の美味しさが十分に引き出される、という人も多い。僕は「ざるうどん」の美味しさと「釜あげうどん」のようにα化の状態のまま食べるのとは完全に区別しているので両方とも好きだ。

「ざるうどん」は美味しいのだけれど、お店に入るタイミングが重要で食べ手がコントロールできない部分がある。茹で上がってから氷水などで締め、そして食べるまでの時間が重要だからだ。麺の中心まで十分に冷えたらすぐに食べるのがベストなんだと思う。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月26日木曜日

Sanuki Udon 15

5月、ゴールデン・ウィークに入ってからは特にだが、仕事が山積みでとても忙しい。そんな中今週の日曜日、月曜日、火曜日と久しぶりに3連休できて、子供たちとたっぷりと一緒に過ごせ、とても幸せだった。連休があっという間に終わってしまい、ストップしていた仕事に戻るとまたまた口も聞けないほど忙しい。

よく、「ブログ・ネタ」という言葉を耳にするけれど、僕はブログのネタに困ることはない。いくらでも話題がある。ないのはブログを書く時間だ。毎日ほんの数分でイメージと短いテキストをアップ・ロードするのが精いっぱいの状況だ。時間さえあればもう少し内容のあるブログにできるかも知れないのになー、くやしい。

そんなわけで今日はなかなかアップできないでいた美味しい「釜あげうどん」の顔です。スミマセン。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月25日水曜日

Le Marche 2011.5.25

5月だって素晴らしい巡り合いはある。選ぶ眼が違うからなおさらのことだ。人間だって色々な背格好の人がいるんだから魚の旬だってイレギュラーが起こる。本来は脂が落ちて、身が痩せるようなときにでも天邪鬼な奴はいるもんだ。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月24日火曜日

Prunus

香川県でとても美味しいアスペルジュやクールジェット、トマトなんかを栽培している生産者の方が、「さくらんぼ」をもって来てくれた。それも木のままだ。こういうのは東京ではなかなか体験できないなー。

ありがとうございます。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月23日月曜日

Bletilla striata Reichb. fil.

華やかで小さく手を振ってくれる小手毬にあいさつをしたら、今度は背の高い芍薬の花を階段の左側に、右下では紫欄たちが風にそよいでおしゃべりをしている。芍薬はそれをただ黙って見下ろしている。

この季節のレストランは、50段の階段を昇りきるまで、数えきれないくらいの美女がいて、すれ違い、立ち止まり、囁き合い、くすぐったい香り・・・。

しかしそんな気分もつかの間、今日も僕は自分との戦いへと向かわねばならない。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月21日土曜日

Eruca vesicaria

僕の厨房には実にさまざまな食材が届く。海外からも日本各地からも、そして勿論地元からも。瀬戸内海に来てから知り合った素晴らしい生産者の方が何人もいる。中でも広島で香草やベビー・リーフなどを育てている人が送ってくれる食材は素晴らしい。

最近では「ルッコラの花」、「セルフィーユの花」、「シブレットの花」、「色々なマイクロ・リーフ」、まだまだある。

僕は調理場から瀬戸内海が見える高台で、香り立つ鮮度抜群の食材に囲まれている。何という幸せなのだろうか。

夢かな?


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月20日金曜日

Paeonia lactiflora

牡丹の花が散るころ、今度は芍薬の蕾が膨らみだす。何かを拒むようにギュッと閉じている。とても愛らしい。花言葉は「恥じらい」、「はにかみ」、しかし花を咲かせたらそれは絶世の美女だった。

植物学的には牡丹は樹木で、芍薬は草だそうだ。だから冬になると芍薬の地上部分は枯れて消滅し休眠してしまう。

今度は庭のどこかに百合の花が咲いてくれるのではないかと心まちにして、まるで僕は重い恋患いのよういに落ち着きをなくしたり、落ち込んだりしてまうのだ。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月19日木曜日

Truffe 13

「サマー・トリュフ」の外皮は冬の黒トリュフと比べると少しガリガリとしていて固い。内部の白い部分はコリコリとして旨みもあるがやや乾いた感じがする。外皮の物理的な凹凸は黒トリュフよりも若干だが落差がある。そのため見た目もゴツゴツとした感じが強い。水分が少ないためか同じくらいの大きさなら体感は黒トリュフより軽く感じる。香りは穏やかで黒トリュフのようなガス的強烈さは無い。

皮つきのままトリュフ・スライサーで薄く削ると皮がパラパラと細かく砕ける。この皮が喉に引っかかる時がある。黒トリュフの皮は剥いて使う料理人も多いが「サマー・トリュフ」はそのまま使う人も多く見かける。黒と白のコントラストがあるからデザインがしやすいからだろう。

悪魔的な黒トリュフ、そして爽やかで貴婦人のような「サマー・トリュフ」二人が出会うことはない。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月18日水曜日

Truffe 12

5月は色々な食材が現れる。フランスにもあるのだが、今回はイタリアから「サマー・トリュフ」がやってきた。冬の黒トリュフと異なり中はまるで未成熟のようなとても微妙なベージュにクリームのマーブル。香りはとても穏やだが、トリュフのあの香りを持つ。サマー・トリュフに関する文献や資料は日本ではとても少ない。

夏でもトリュフは思考している。休む間もなく僕も一緒に考える。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月17日火曜日

Le Marche 2011.5.17

鯛に子や白子が入ってその美味しさがピークに達し、5月も半ばになり鯛の季節も一旦終わりになる。それでも僕は一年を通して鯛と付き合い続ける。鯛と僕はそういう仲なのだ。5月や6月でも個体差があるから鯛を選びぬく。その感覚が美味しくて当たり前の季節よりも鋭くなり、返ってビリビリとした出会いを与えてくれる。

これから夏になるとオコゼや鮑が美味しくなる。瀬戸内海のオコゼは今、子が入り始めた。僕はオコゼが大好きだけれど、オコゼは僕が大嫌いだ。とても悲しい。多分彼女は僕を振り向いてくれることはないだろう。それくらい解るさ。

オコゼ姫はいつも、とても怒っている。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月16日月曜日

Sanuki Udon 14

讃岐うどんのお店には実にさまざまなトッピングやサイド・メニューがある。「おでん」を始め「おにぎり」や「いなりずし」、「太巻き」なんかもある。

最近では「おにぎり」と言えばコンヴィニエンス・ストアーの商品の代表格だ。だから「既製品」の「おにぎり」を食べている人は大勢いて、馴染みのある食べ物だろう。僕が子供の頃は「おにぎり」と言えば運動会の時や遠足で食べるものだった。でも香川にいたら手作りの「おにぎり」にいつでも出会える。塩がはっきりと効いている、正統派だ。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月14日土曜日

Cepe

結局、イタリアからポルチーニは来た。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月13日金曜日

Explanatory notes

説明的写真。

左から右へ、モリーユ、ジロール、ピエ・ブルー、カルドンチェッロ。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月12日木曜日

Champignons sauvages

茸の季節は秋だけではない。今も天然の茸は充実している。トルコ産のモリーユ、フランス産のジロール、ピエ・ブルー、そして栽培ものだがイタリアのプーリア産のカルドンチェッロが入荷した。今週末にはイタリアのポルチーニが入荷するかも知れない。勿論、香川県の茸だって使う。

しかしポルチーニやセップはとても難しい茸だ。状態がよくないこともしばしば。そんな時、僕はせっかく入荷した茸でもお客様には決してお出ししない。だから自分が外食でヨーロッパ産の天然茸を食べるのは信頼できるお店だけでだ。

シャンピニョンの魅力はその香り、歯触りと色々あるが個性的な形や色も面白い。最も茸全体からいったら食べることのできる物の方がはるかに少ない。自分で採りに行くのはよほどの知識が必要だ。レストランの周りにも茸を見かけるけれど、残念ながらどれも食用にはならないものばかりだ。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月11日水曜日

Saison

僕が東京に暮している時には食材の移ろいが季節を感じさせてくれていた。料理を考えるのが仕事だから当たり前だ。それ以外に季節を強く意識する出来事は何と言っても気温の変化だった。温かい、暑い、涼しい、寒い、と。当たり前か。後はセミの鳴き声、ビルの中などの施設や電車に乗った時の効きすぎた空調の寒さ。

香川に来てからそれは全然違うものになった。春先から順番に咲く花、うぐいすのさえずり。夜明けや日没、夕日が沈む位置がずれてゆく。

東京と地方は全く別の世界、別の価値観で動いているんだ。僕は香川に来るまで、それが解らなかった。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月10日火曜日

Make effort

「友情」、「努力」、「品格」。小手毬の花言葉だ。どれも大切にしたいもの。

レストランの門をくぐりすぐ左手に小手毬の花が咲いている。小さく、可憐でとても可愛らしい花。僕は東京に住んでいる時、花の名前なんてあまり知らなかったし、さほど興味もなかった。ここへいると雑草のような、道端に生きている植物でも見逃してしまいそうなくらい小さな可愛い花をつける。

つしか、そんな小さな花にも愛着を覚えるようになり、足を止めて見つめる時がある。しかし、彼女は何故だか、ただ黙って咲いている。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月9日月曜日

Asperges Sauvages

5月になると毎年フランスからやって来る「アスペルジュ・ソヴァージュ」。野生のアスパラ・ガスだ。

常温のステンレスのポワルにアスペルジュ・ソヴァージュを重ならないように並べ、少量のフォン・ブラン・ド・ヴォライユでムイエし、ユイル・ド・オリーブ・ヴェルジェ・エクストラを数滴くわえる。蓋をしてごく短時間エテュベしてからゲランドのセル・ファンとポワブル・ブランでアセゾネする。

ねっとりとした粘りとシャクシャクした歯触り、そして香り。たった1ヵ月しか出回らない季節の食材だ。30日間、思う存分料理することにしよう。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月7日土曜日

Sanuki Udon 13

僕が通っているのは個人経営のうどん屋さんだけれど、香川県にはいくつもの讃岐うどんチェーンがある。チェーン店でも各社それぞれにコンセプトの違いや個性があって面白い。東京に進出している会社もあると思う。

高松では大手(だと思っている)のチェーン店でうどんを食べた。安定感がありブレの無い味わいでとても美味しい。

シンプルな「釜あげうどん」でもこれだけヴィジュアルに違いがある。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月6日金曜日

Sanuki Udon 12

この迫って来る感じが好きだ。他所のお店の「釜あげうどん」と比べるとその生き生きとしたヴィジュアルが全然違う。器やポーションのバランスもそうなのだろうが、料理はやはり作る人の雰囲気なのだと思う。

見るから喉越し感や滑らかさ、温かさが伝わってくる。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月5日木曜日

Sanuki Udon 11

うどんのエッジが立っている時は美味しい。生地に張りがあり、包丁が切れていることを意味する。

讃岐うどんはとても強い腰があり噛みごたえがあるタイプと、腰と滑らかさを両立しているタイプがある。僕はバリバリと腰のあるうどんよりも、腰のシコシコ感を感じつつも滑らかなうどんが好きだ。なんだか書くのは簡単んだけれど作るのは難しいだろうなー。よく解りもしない癖に他人の仕事に注文をつけるのは簡単だ。スミマセン。

うどんを食べるスピードを遅らせる。普段の無意識よりも少しだけゆっくりと食べる。そーすると、うどんの粉の味と出汁の絡む味、薬味の風味、それらの余韻が長くなってくる。そして後半はより喉越しを感じやすくなり美味しくいただける。若干温度が下がるからだ。良いうどんならばそれくらいのことで麺が延びたりすることはない。

僕はうどんを食べている時、ただ子供たちと話をしているだけだ。「料理」としてうどんをとらえているのは無意識のなかでだ。

http://tomoshiroinoue.blogspot.com/search/label/udon


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月4日水曜日

Sanuki Udon 10

昨日もお陰さまでとても忙しかった。仕事が無いほどみじめなことはないから、忙しくて大変だ、なんて思わない。本当にありがとうございます。忙しくても高いクオリティーの仕事がしたい、心からそう思う。

ところで僕はだいぶ以前から豆腐が好きだ。特に絹ごしの湯豆腐が好きだ。冬に鱈と一緒に食べる豆腐も最高だ。二女は讃岐うどんのお店で豆腐をよく食べる。うどんも長いまま口に入れ吸い上げることができる。

味覚が遺伝するなんてこと、あるのだろうか?


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月3日火曜日

Sanuki Udon 9

ゴールデン・ウィークに入りさすがに忙しい。特にデジュネは遠方からお越しくださるお客様が多い。本当にありがとうございます。

僕はだいぶ以前からコンニャクが好きなのだが、長女もコンニャクが好きだ。うどん屋さんに行くと例の讃岐のおでんの中にコンニャクが入っていて、必ず食べる。

味覚は後天的な影響が大きいと思われるけれど、遺伝するなんてことはあるのだろうか?


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。

2011年5月2日月曜日

Sanuki Udon 8

だいたいの場合、「釜あげうどん」には具材などは無くうどんとゆで湯だけだ。薬味もおろし生姜、細葱みじん切り、白煎り胡麻が多い。パスタなどと違いうどんのゆで湯に塩を入れることはない。しかしこのゆで湯には塩味がある。うどんに加塩しているからだ。グルテンの強い麺から浸透圧で塩が抜け湯に移る、これが麺の腰と関係してくるのだ。そしてお猪口に入った出汁に麺をつけて食べる。とてもシンプル。

うどんだから麺の腰や滑らかさなどが大切だけれども、何よりこの出汁が問題だと思う。美味しいか否か、というよりも、自分の好みに合っているかどうか。僕はあまり濃い出汁が苦手なのでここの出汁がとても美味しい。「ざるうどん」や「釜あげうどん」の出汁は甘く濃いお店が多い。ここは「出し」の風味が生きていて醤油や味醂などの調味料がとても抑えられている。

蕎麦なら出汁に対する考え方は全然違うのだけれど。香川県にもお蕎麦屋さんはある。それにうどん屋さんに蕎麦を置くところがある。僕は讃岐うどんの店で蕎麦を食べたことが無い。今度挑戦してみようかと思う。


私達は「TAP PROJECT 2011」に参加しています。